独フォルクスワーゲン(VW)傘下のスウェーデン商用車大手スカニアは4日、負荷の大きい環境で稼働するトラック用ギアボックスのラインナップを拡充すると発表した。環境対応型エンジンに適した自動変速マニュアルトランスミッション(AMT)の「G25CM」と「G33CM」に、Heavyの略称である「H」を付けた「G25CH」と「G33CH」を追加する。鉱山や重量物運搬、急こう配、悪路などでの使用を想定し、堅牢性を特に強化している。
「H」シリーズはプロペラシャフトにかかる高いトルクに対応するため、より頑丈な遊星歯車機構を採用。性能向上に加え耐用年数の延長も実現した。同社はこれにより、建設や鉱山業界のトラック向けに最高水準の堅牢性とスムーズな変速、優れた燃費を組み合わせたギアボックスを提供するとしている。
スカニアは2020年に最新世代のギアボックスとしてG25CMとG33CMを導入した。これらは燃費効率の良い低回転エンジンに適した設計となっており、エンジンが最大トルクを出しながら低回転で動作できるようギア比幅を広くしている。アルミニウム製筐体の採用と小型化により、先代モデルから60キロの軽量化を実現している。
スカニアは2030年までにギアボックスを順次刷新していく方針を示している。