英中銀が12会合連続の利上げ、政策金利は08年以来の高水準に

英中央銀行のイングランド銀行は11日、政策金利を4.25%から0.25ポイント引き上げ、4.5%にすると発表した。利上げは12会合連続。金利は2008年10月以来の高水準となる。

追加利上げは10日まで開いた金融政策委員会(MPC)で決定した。0.25ポイントの利上げは2会合連続。委員9人のうち7人が同率での利上げを支持、2人が据え置きを主張した。

イングランド銀は記録的な物価高に対応するため、2021年12月から利上げを開始。今回の利上げで、0.1%だった政策金利は約15年ぶりの高水準に跳ね上がった。

英国の3月のインフレ率は前年同月比10.1%となり、前月の10.4%から0.3ポイント縮小した。インフレ率の鈍化は2カ月ぶり。ただ、イングランド銀は同日、物価高の主因だったエネルギー価格は低下しているものの、食品価格の高騰、賃上げでインフレ率が縮小するペースは予想より鈍いとして、年末の予想値を前回(2月)の3.9%から5.1%に上方修正。目標値の2%まで下がるのは25年初めにずれ込むとの見通しを示した。このため、追加利上げに踏み切った。

今後の金利政策については、データに基づいて決めるとして、金融引き締めを続けるかどうかは明言しなかった。ただ、物価の「上振れリスクがある」と指摘。「インフレ圧力が持続的に高まる兆候があれば、さらなる引き締めが求められる」と述べ、再利上げを示唆した。市場では少なくとも2回の追加利上げを実施し、政策金利が今秋には5.0%に達するとの見方が出ている。

一方、イングランド銀は同日発表した最新の経済見通しで、23年の予想成長率を前回のマイナス0.5%からプラス2.5%に上方修正した。エネルギー価格の低下、政府の景気刺激策、中国のゼロコロナ政策終了による経済活動の再開などを織り込んだもので、懸念されていた今年の景気後退(リセッション)入りは回避できると見込んでいる。

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