ビオンテックの肺がん治療薬、治験結果が良好

バイオ医薬品大手の独ビオンテックは2日、米同業オンコC4と共同開発している肺がん治療薬「BNT316/ONC-392」でフェーズ1/2の治験結果が良好だったと発表した。同薬は米食品医薬品局(FDA)から迅速承認手続きの適用を受けている。第3四半期にも治験の最終段階に当たるフェーズ3を開始する意向だ。

5年生存率が9%と低い転移性の非小細胞肺がん(NSCLC)患者27人を対象にフェーズ1/2を実施したところ、安全性が確認されたほか、効果を示唆する結果が得られた。それによると、がん細胞の消滅(完全奏効=CR)と縮小(部分奏効=PR)の合計である全奏効率(ORR)で29.6%を記録。ORRに腫瘍の大きさが変化しない状態である安定=SDを加えた病勢コントロール率(DCR)は70.4%に上った。DCRの患者数の内訳はCRが1人、PRが7人、SDが11人となっている。

BNT316/ONC-392はオンコC4が創薬した抗体薬。ビオンテックは3月、同薬の世界独占開発・販売権を取得し、共同開発に乗り出した。様々な種類の固形腫瘍の治療薬として投入することを目指している。

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