スペインのサンチェス首相は5月29日、議会を解散して7月23日に総選挙を実施する意向を表明した。統一地方選で与党陣営が大敗したことを受けたもの。極左政党ポデモスとの連立が敗北の主因と判断し、連立を解消して早期の総選挙に踏み切る。
28日に投開票された統一地方選では、野党の中道右派・国民党(PP)や極右政党ボックス(VOX)が躍進。サンチェス首相率いる中道左派の社会労働党(PSOE)とポデモスは多くの議席を失った。
PSOEとポデモスの連立政権では、両党の路線の違いが鮮明化し、政権運営に暗雲が漂っていた。とくにLGBTQなど性的少数者の権利保護強化を主張するポデモスと、穏健左派のPSOEで考え方が大きく異なり、大きな溝があった。
地方選ではPSOEよりポデモスの支持率低下が目立ち、大敗につながった。サンチェス首相は問題のある連立を解消し、年末に予定されていた総選挙を前倒しで実施する方が得策と判断したもようだ。