シーメンスEの通期赤字が大幅拡大、風車子会社の品質問題で

エネルギー設備大手の独シーメンス・エナジーは22日夕、風力発電タービン子会社シーメンス・ガメサの品質問題に絡んでこれまでの想定を上回る費用が発生する見通しを明らかにした。これを受け株価は翌23日、37%急落。時価総額は約60億ユーロ縮小した。

ガメサでは陸上風力発電用タービンの部品で故障が頻発している。1月の時点ではこれに伴う費用を4億7,200万ユーロと見積もっていた。その後の調査で大幅に膨らむことが確実となったため、シーメンス・エナジーは適時開示情報を22日に公開。正確な額は現時点で確定していないとしながらも、10億ユーロを超える見通しを明らかにした。このほか、洋上風力発電タービン工場の生産能力拡張でもトラブルがあることから、シーメンス・エナジーは2023年9月通期の損益見通しを撤回した。これまでは8億ユーロ以上の純赤字を見込んでいた。

同社はガメサの経営再建に向け同子会社の上場廃止手続きを進めてきた。市場はこれを好感。株価は6月上旬まで回復基調が続いていた。今回の発表で市場の期待感は一気に消え去った格好だ。

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