Ifo経済研究所が27日に発表した6月の独製造業輸出期待指数(DI)は前月の1.0ポイントからマイナス5.6ポイントへと低下し、2022年11月以来の低水準となった。調査担当者は景気低迷を受けて内需だけでなく国外の新規受注も減少していると指摘し、「ドイツの輸出産業にとってこれは良い知らせではない」と述べた。
Ifoは月例の企業景況感調査の一環としてメーカーおよそ2,300社に今後3カ月の輸出見通しを質問している。メーカーは「増える」「横ばい」「減る」のどれかを選んで回答。「増える」の回答比率から「減る」の回答比率を引いた数に季節調整を加味したものが輸出期待指数となる。同指数がマイナスの領域にあることは、輸出減回答が輸出増回答を上回っていることを意味する。
6月の状況を業界別でみると、大きく改善したのは衣料品と飲料だけだった。これまで改善していた食料品は再び悪化。金属と家具の見通しも悪くなった。家具は高金利などに伴う住宅需要減少のしわ寄せを受けている。
数値が最も低かったのは金属製造・加工でマイナス30.7ポイントだった。ゴム・樹脂製品(-19.3ポイント)、金属製品(-16.5ポイント)、食品・飼料(-8.4ポイント)、化学(-7.5ポイント)、機械(-1.6ポイント)もマイナスに沈んだ。自動車は1.2ポイント、電気装置は2.2ポイント、製紙は6.3ポイント、データ処理装置は7.2ポイントと輸出増回答が多数派を維持している。