僻地・洋上の水電解槽向け水処理装置をボッシュが市場投入

自動車部品・産業機器大手の独ボッシュは28日、僻地や洋上の水電解槽に適した水処理装置を2024年に市場投入すると発表した。同社は昨年5月、水電解槽向け部品事業への参入を表明しており、グリーン水素関連の事業を拡大することになる。

電気分解して水素を取り出すために用いる水は純度が高くなければならない。不純物が多いと電解槽が短期間で機能しなくなるためだ。上水道が整備されている地域であれば逆浸透膜やイオン交換樹脂を用いた従来の処理技術で高純度の水を作ることができるが、僻地や洋上では水の硬度が高すぎたり、塩分が含まれているため、経済性に難点がある。グリーン水素がアフリカや南米、北欧で多く製造される見通しを踏まえると、克服されなければならない課題だ。

ボッシュはその解決に向けて新たな水処理技術を開発した。熱・電気化学処理を通して水からミネラル分を取り除き、高純度の水を作る。ろ材を用いないことから、化学品による水質汚染のリスクがないという強みもある。予知保全機能を備える。シュテファン・ハルトゥング社長は「水処理をいたるところで~世界の最果ての地域でも~経済的かつ環境に優しく実現できる」と強調した。

同水処理技術は7月13日に、シュツットガルト市フォイエルバッハ地区の拠点で公開される。2035年以降、年およそ500台の需要があると見込んでいる。

上水道の整備された先進地域では逆浸透膜、イオン交換樹脂ベースの水処理装置を提供する。

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