ドイツ連邦統計局が29日発表した6月の消費者物価指数(速報値)は前年同月比6.4%増となり、上げ幅は前月を0.3ポイント上回った。インフレ率の上昇は1月以来で5カ月ぶり。比較対象の2022年6月は物価高騰で実質収入が目減りした世帯の負担緩和策として公共交通機関の料金と自動車燃料税が一時的に引き下げられており、今年6月はその反動でインフレ率が押し上げられた。交通費の軽減策は昨年6~8月の3カ月間、実施されたことから、今年は8月までインフレ率が上昇する可能性が高い。
物価の構成比重が50%強に上るサービスが0.8ポイント増の5.3%となり、全体が強く押し上げられた。昨年6月は全国の近距離公共交通機関を月9ユーロですべて利用できる定期券が導入されたことから、サービス価格の水準が押し下げられた。
昨年6月の自動車燃料税引き下げを受け、今年6月はエネルギーの上げ幅も前月の2.6%から3.0%に拡大した。食料品は14.9%から13.7%に低下した。
消費者物価指数は前月比では0.3%上昇した。
欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が6.8%、前月比が0.4%だった。