上期企業倒産16%増加

独信用調査機関クレジットリフォームが29日に発表した上半期の企業倒産件数は前年同期比16.1%増の8,400件となり、ドイツが「欧州の病人」と呼ばれていた2002年以来の大幅増を記録した。エネルギー・材料価格の高騰と、欧州中央銀行(ECB)の金融引き締めへの政策転換が直撃。新型コロナ危機で体力が落ちていた企業を中心にふるい落とされた格好だ。

経営規模が大きい企業で倒産が特に増えた。従業員数250人超の企業では増加幅が67%、51~250人では同133%に上った。クレジットリフォームの経済研究主任は、「パンデミックやエネルギー価格の高騰といったグローバルな危機は規模の大きな企業をより強く直撃する」と述べた。

倒産の影響を受けた被用者数は計12万5,000人で、前年同期を83%上回った。負債総額は130億ユーロに上る。

倒産の増加幅が最も大きかった部門は製造で、22.6%に上った。これに流通が18.5%、サービスが16.7%で続いた。建設は需要が急減しているものの、9.0%と比較的小さかった。

高インフレと金融引き締めは当面、続くことから、倒産は下半期も増える見通しだ。経済環境の悪化を受けて債務返済能力のない企業は増えており、金利が今後、上がれば上がるほど、経営破たんする企業が増えるとみている。

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