エネ大手フォータムが独中部に電池リサイクリング工場を建設の方向

フィンランドのエネルギー大手フォータムは13日、電池リサイクル子会社フォータム・バッテリー・リサイクリングが独中部のアルターンに工場を建設することを検討していると発表した。電動車の需要拡大などを背景に電池再生原料のニーズが欧州で高まっていることを受けたもので、すでに地元チューリンゲン州政府などと協議を進めている。

同社は廃電池の前処理工場を西南ドイツのキルヒャルト、前処理された廃電池を機械的に粉砕して黒い粉末を得る工場をフィンランド南部のイカーリネン、黒い粉末に湿式製錬処理を施し電池原料のリチウム、ニッケル、コバルト、マンガンを取り出す工場を同ハルヤヴァルタに持つ。

アルターンには黒い粉末を作る機械処理工場を建設する考え。チューリンゲン州は電池の研究から生産、リサイクリングに至るバリューチェーンがあるうえ、電池再生原料の潜在的な顧客である電池メーカーや自動車メーカーへのアクセスも良いことから、計画の肉付けが順調に進んでいる。アルターンのトルステン・ブリューメル市長は、工場が建設されれば約70人の雇用が創出される見通しを明らかにした。

フォータム・バッテリー・リサイクリングは2030年までに廃電池20万トン超の処理能力を構築する計画。これを実現するため、欧州に湿式製錬処理工場を計3カ所、機械処理工場を約7カ所、確保する意向だ。

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