消費者信頼感が改善、インフレ低下の見通し受け

市場調査大手GfKが27日に発表したドイツ消費者信頼感指数の8月向け予測値は7月の確定値(-25.2ポイント)を0.8ポイント下回るマイナス24.4ポイントへと低下した。同指数の改善は2カ月ぶりで、前月の落ち込みが完全に相殺された。調査担当者は、インフレ率が低下する見通しが強まっていることが背景にあるとの見方を示した。

所得の見通しに関する7月の指数(8月向け予測値の算出基準の1つ)は前月を5.5ポイント上回るマイナス5.1ポイントとなり、2022年3月(ウクライナ戦争勃発の翌月)以降の最高を記録した。物価の上昇が鈍化していることが大きい。前年同月比では上げ幅が40.6ポイントに達した。

高額商品の購入意欲に関する7月の指数(同)は0.3ポイント増のマイナス14.3ポイントに改善したものの、数値はコロナ禍初期の2020年春や、20年末~21年初頭をこれまでに引き続き下回った。食品・エネルギー価格の高止まりやウクライナ戦争の長期化、住宅暖房規制の強化法案に伴う今後のコスト負担懸念を背景に世帯が支出を抑制している。

景気の見通しに関する7月の指数(同)は横ばいのプラス3.7ポイントだった。長年の平均であるゼロを上回るのは6カ月連続。雇用が比較的安定していることが大きい。ただ、欧州中央銀行(ECB)の金融引き締めなどを受けて経済が低迷するとの見方は強い。

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