BASFがコスト削減強化へ、23年予測は下方修正

化学大手の独BASFは28日の決算発表でコスト削減の強化方針を打ち出した。第2四半期の業績が振るわなかったことを受けた措置。下半期の回復を見込んでいた需要は低迷が続く見通しとなっていることから、2023年12月期の業績予測を引き下げた。

同社は2月、コスト削減措置を今年から来年にかけて実施する方針を打ち出した。サービス、研究・開発、本社でコストを年5億ユーロ以上、圧縮するというもので、従業員およそ2,600人を整理することになっている。今年末までに3億ユーロ以上を削減できるとしている。

今回はさらに、固定費を26年末までに約10億ユーロ引き下げる意向を表明した。コストを継続的に厳しく吟味し、裁量費を可能な限り減らしていく。

23年第2四半期の売上高は前年同期比24.7%減の173億500万ユーロと大幅に縮小した。需要の低迷と販売価格の低下が響いた格好で、営業利益(EBIT、調整済み)は57.0%減の10億700万ユーロに後退。純利益は76.1%減って4億9,000万ユーロとなった。

営業利益を部門別でみると、栄養・ケア製品が84.8%減、ケミカル(石油化学、中間体)が76.3%減、産業ソリューション(ディスパージョン&顔料、パフォーマンスケミカルズ)が61.6%減、マテリアル(機能性材料、モノマー)が60.4%減と特に振るわなかった。農業技術は値上げの効果もあり、減益幅が4.3%にとどまった。表面技術(触媒、コーティング剤)は1.5%増となり、唯一増益を確保した。

23年12月期は売上高で「730億~760億ユーロ」を見込む。これまでは「840億~870億ユーロ」を予想していた。営業利益も従来の「48億~54億ユーロ」から「40億~44億ユーロ」に下方修正した。

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