インフィニオンがマレーシアに追加投資、SiCの需要増を受け50億 ユーロ

半導体大手の独インフィニオンは3日、マレーシアのクリム工場に今後5年で50億ユーロを投資すると発表した。同社はクリム工場に20億ユーロ強を投じてSiC(炭化ケイ素)半導体とGaN(窒化ガリウム)半導体の製造施設を設置することを昨年2月に発表したばかり。顧客の旺盛な需要を受け巨額の追加投資に踏み切る。

世界最大の200ミリウエハーSiCパワー半導体工場を建設する。同社によると、デザインウィンベースで顧客から合わせて約50億ユーロの受注を獲得したほか、約10億ユーロの前払金を受け取ることが決まっている。

インフィニオンは墺フィルラハ工場でも200ミリウエハーSiC半導体を生産する計画だ。同半導体売上高が2030年までに約70億ユーロに達し、世界市場シェアの30%を獲得できるとみている。

同社は今回の投資決定につながった受注の発注元として米フォード、中国の上海汽車(SAIC)、奇瑞汽車(チェリー)の自動車3社の名を挙げた。これ以外の自動車3社からも受注を獲得した。太陽光発電設備業界ではイスラエルのソーラーエッジと中国3社が発注元だとしている。仏電機大手シュナイダー・エレクトリックはパワー半導体の生産能力予約と前払金の支払いをインフィニオンと取り決めた。

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