エネ大手RWEがチェコの天然ガス貯蔵事業を売却

エネルギー大手の独RWEは24日、チェコで天然ガス貯蔵事業を展開する子会社RWEガス・ストレージCZをチェコ国営送電会社CEPSに売却することで合意したと発表した。同子会社は非中核事業であることから売却先を模索していた。チェコにとってはエネルギー供給の安定化につながる。

RWEガス・ストレージCZはチェコ国内の6カ所に天然ガスの地下貯蔵施設を持つ。貯蔵容量は計27億立方メートル強で、同国の年消費量の3分の1に相当。暖房向けの需要が増える冬季の2~3カ月分の使用量に当たる。RWEは同子会社を3億6,000万ユーロで譲渡する。規制当局の承認を経て売却手続きが年内に終了すると見込んでいる。

チェコはロシアのウクライナ進攻を受けてロシア産天然ガスへの依存から完全に脱却した。現在はオランダの液化天然ガス(LNG)ターミナルなどを通してガスを調達している。ヨゼフ・スィーケラ産業貿易相は「CEPSによるガス貯蔵施設買収は、チェコのエネルギー安定供給を一段と強化するための国家活動の枠組みにおける論理的な一歩だ」と述べた。

RWEはドイツ国内に持つガス貯蔵施設については手元にとどめる方針を明らかにした。これらの施設は水素貯蔵に最適の岩塩空洞であることから、将来の水素貯蔵に活用する意向だ。

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