ドイツ連邦統計局が29日に発表した第2四半期(4~6月)の実質賃金は前年同期比0.1%増となり、8四半期(2年)ぶりに上昇へと転じた。名目賃金が大幅に上がったほか、インフレ率がこれまでに比べ低下したことが大きい。非課税で社会保険料も賦課されないインフレ調整一時金が多くの企業で支給されたことと、昨年10月の法定最低賃金引き上げも水準上昇につながった。
名目賃金は6.6%増え、統計開始(2008年)後最大の伸びを記録した。インフレ率が6.5%だったことから、実質賃金がわずかに増えた。
被用者の税金・社会保険料納付義務が免除される低賃金労働「ミニジョブ」の従事者では名目賃金が9.7%増えた。最低賃金の引き上げが奏功した格好だ。フルタイム勤務の被用者は同6.3%で、インフレ率を下回っている。
業界別ではコロナ禍の直撃を受けた分野で大きく上がった。上げ幅は宿泊・飲食で12.6%、芸術・娯楽・余暇で11.9%、運輸・倉庫で10.0%に達した。