市場調査大手GfKが29日に発表したドイツ消費者信頼感指数の9月向け予測値は8月の確定値(-24.6ポイント)を0.9ポイント下回るマイナス25.5ポイントへと低下した。同指数の悪化は2カ月ぶり。調査担当者はインフレ率の高止まりを背景に数値が極めて低い水準で推移していることを指摘したうえで、個人消費は今年、国内総生産(GDP)成長率を押し下げるとの見方を示した。
所得の見通しに関する8月の指数(9月向け予測値の算出基準の1つ)は前月を6.4ポイント下回るマイナス11.5ポイントへと落ち込んだ。消費者が価格の変化に敏感な食料品とエネルギーの分野で割高感を感じていることが大きい。連邦統計局によると、7月の食料品価格は前年同月を11%、エネルギーも同5.7%上回った。
高額商品の購入意欲に関する8月の指数(同)も2.7ポイント減のマイナス17.0ポイントへと落ち込んだ。物価高騰のほか、企業倒産が増加し、失業懸念が強まってきたことが反映されている。
景気の見通しに関する8月の指数(同)は9.9ポイント減のマイナス6.2ポイントとなり、昨年12月以来の低水準を記録した。エコノミストの間ではドイツ経済が今年、マイナス成長に転落するとの見方が強まっている。