タクシー運賃の事前交渉解禁、ミュンヘンで9月から

タクシー運賃を乗車前の交渉で取り決めることがドイツ南部のミュンヘン市で9月1日から解禁される。ウーバーなど配車サービスの利用が増え、タクシー業界が圧迫されていることを受けた措置だ。ディーター・ライター市長は「この新しいルールはタクシー業界の競争力を保つために緊急に必要なものだ」と明言した。dpa通信などが30日、報じた。

タクシー料金は各自治体が制定しており、逸脱は認められていない。一方、配車サービスは同規制を受けないことから、料金競争で有利な立場にある。事実、ウーバーなどの料金はタクシーを大幅に下回ることから、若年層を中心にタクシー離れが加速している。

こうした事態に対応するため、ミュンヘン市は料金を事前交渉できるルールを導入する。交渉できるのは事前に予約する場合のみで、流しのタクシーではこれまで通り基本料金と走行距離、時間に基づいて運賃が決まる。電話、アプリ、電子メール、SMSで予約する際に料金を取り決めることができる。ただし、公定タクシー料金からの逸脱幅には制限が加えられる。また、市当局は取り決め料金を監視する。

ミュンヘン市は2021年夏に施行された国の改正乗客輸送法(PBefG)に基づき新ルールを導入する。タクシー業界団体BVTMは、同市の新ルールは国内の他の都市のモデルになり得るとして歓迎の意を示した。すでにハンブルクとベルリンで同様の措置が検討されている。

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