ダイヘンは30日、溶接機の有力メーカーである独ロルヒ・シュヴァイステヒニクを完全買収すると発表した。欧州の溶接機・アーク溶接ロボット市場で最大手となる。買収金額は非公開。独禁当局の承認を経て買収手続きが来年1月に完了すると見込んでいる。
ロルヒはシュツットガルト近郊のアウエンヴァルトに本社を置く企業。アーク溶接機の分野で独市場2位、欧州市場5位に付ける。従業員数は280人で、2022年度の売上高は約85億円だった。量販機種を中心に事業を展開していることから、ハイエンド機種中心のダイヘンとは相互補完性が高い。
ダイヘンはロルヒが持つ西欧の販売ネットワークと、大手ユーザーへの直販体制を活用し、西欧販売を加速する意向だ。また、FAロボット分野で買収済みの独ラゾテック、フェミテックを活用し、ロルヒ顧客の多様な自動化ニーズに対応していく。さらに、スロベニア子会社バストロイのネットワークを通してロルヒ製品の東欧販売を拡大する。
欧州におけるダイヘンの溶接・接合機/FAロボット売上高は22年度に60億円となり、13年度の17億円から大幅に伸びた。ロルヒを買収すると2.4倍の145億円に拡大する。26年度までにさらに200億円超へと引き上げる目標だ。