トルコ即配大手のゲティシュ、時価総額が急低下

トルコの食品即配サービス大手ゲティシュ(Getir)の時価総額が過去1年半で4分
の1以下に急減したもようだ。国際的な消費者需要の縮小やコスト増加で業界企業
のふるい分けが進むなか、ゲティシュの経営が厳しくなっていることを示してい
る。
ゲティシュの時価総額は昨年3月の資金調達時に118億米ドルと評価された。しか
し、英『フィナンシャル・タイムズ』紙が消息筋の情報として8日、伝えたところ
によると、ゲティシュが今月末予定する調達ラウンドでは、評価額がわずか25億ド
ルに過ぎないという。新ラウンドでは、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国
の政府系ファンド、ムバダラや、ベンチャーキャピタルのGスクエアードなど既存
株主が合計5億ドルを追加投資する。
ゲティシュは7月末以来、スペイン、イタリア、ポルトガルで市場撤退を進めてい
る。先月末には従業員の10%(約2,500人)をカットすると発表した。事業を継続
しているトルコ、英国、ドイツ、オランダ、米国で解雇を実施する見通しだ。
即配サービスは新型コロナ流行で大きく成長したが、小売店、飲食店の営業が通常
化し、オフィス勤務が再開するにつれて需要が縮小。業界企業数も撤退や買収で
減っている。
ゲティシュは一昨年に英ウィージーを、昨年12月には独ゴリラを買収し、業界大手
の一角に残っている。しかし、現在はウーバーイーツやジャストイート、デリバ
ルーといった業界上位に脅かされる存在となっている。

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