軍需分野の独スタートアップ企業ヘルジングは14日、シリーズBの資金調達で総額2億900万ユーロを確保したと発表した。複数のメディア報道によると、同社を17億ユーロと評価して取引を行っており、ヘルジングは軍需分野のスタートアップで欧州初のユニコーン(企業価値10億ユーロ以上の未上場企業)となった。
ヘルジングはミュンヘンに拠点を置く2021年設立のソフトウエア企業。同社の人工知能(AI)を用いると戦車や戦闘機、潜水艦の性能を引き上げることができる。6月には独国防軍から戦闘機「ユーロファイター」を電子戦に対応できるようにすることを請け負った。8月には欧州防衛計画「フューチャー・コンバット・エア・システム(FCAS)」のAIインフラを受注している。同社製ソフトはウクライナの前線でも使用されており、社員は同国に常駐している。
今回の資金調達はベンチャーキャピタルの米ジェネラル・キャタリストをリード投資家として実施された。スウェーデンの軍需大手サーブが戦略投資家として出資している。
21年11月に行われたシリーズAの資金調達では1億300万ユーロを獲得した。