メルセデスが米で低炭素鋼調達、SDIから年5万トン以上

高級乗用車大手の独メルセデスベンツは18日、米鉄鋼大手スチール・ダイナミクス(SDI)から低炭素鋼を調達することで合意したと発表した。これまで欧州を中心に進めてきた鉄鋼調達の脱炭素化を北米でも本格化していく意向だ。

年に5万トン以上の低炭素鋼の供給を受ける。今月中にも米アラバマ州タスカルーサ工場で車両への投入を開始する予定だ。

同低炭素鋼はスクラップの使用比率が70%以上と高い。SDIは電炉を用いて製造する。鉄鋼生産1トン当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は平均1.0トンで、高炉で造るバージン鉄鋼の半分以下にとどまる。近い将来スクラップ比率を引き上げ、カーボンフットプリントを一段と引き下げる考えだ。

メルセデスは部品・部材を完成車工場のある地域で現地調達する「ローカル・フォー・ローカル戦略」を展開している。欧州では低炭素鋼の調達契約を複数、締結済み。北米では持続可能な鉄鋼のサプライチェーンを構築することで、スウェーデンのスタートアップ企業H2グリーン・スチール(H2GS)と6月に基本合意を締結した。

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