勝亦孝彦駐トルコ日本大使は24日、トルコのアナドル通信に対し、日本とトルコの
エネルギー提携の可能性が非常に大きいという見方を示した。先ごろの西村康稔経
済産業相とアルパスラン・バイラクタル・エネルギー天然資源相との会談を踏まえ
たもので、特に水素や再生可能エネルギーなど、次世代エネルギー分野を有望視し
ている。また、鉱業分野でも両国関係を深化させる余地があるとみている。
西村経産相とバイラクタル・エネルギー天然資源相は今月5日、イスタンブールで
会談し、重要鉱物から再エネ、省エネ、天然ガス、新燃料、新技術へ至る幅広い分
野での提携可能性について意見を交換した。また、官民参加の「日トルコエネル
ギーフォーラム」を立ち上げる共同声明を発表した。
勝亦大使は、日本とトルコの共通点としてエネルギー源を外国に依存している事実
を強調。また、トルコが資源の豊富な中東とロシアおよび欧州の間という、戦略的
に重要な場所に位置していることに触れた。
日本は原子力と再エネの利用拡大と技術開発を通じて2050年までに炭素中立を達成
する目標だ。今年6月には水素導入を加速するため、15年間で官民合わせて15兆円
を投資する方針を発表した。
勝亦大使は、脱炭素化では民間の取り組みも盛んなため、エネルギーフォーラムが
提携の可能性を探る機会になると見込んでいる。
トルコは2053年までに再エネ容量を3倍化するとともに、原子力を第1の選択肢と位
置付け、整備を進めていく方針だ。