バイエルが米に新工場開設、パーキンソン病細胞治療薬を生産

製薬大手の独バイエルは10日、米カリフォルニア州バークレーの拠点に2億5,000万ドルを投じ、細胞治療薬の生産施設を開設したと発表した。まずは完全子会社ブルーロック・セラピューティクスが開発中のパーキンソン病治療薬「ベムダネプロセル(BRT-DA01)」を臨床試験向けに生産。販売承認が得られれば商業生産に踏み切る。将来的には他の細胞治療薬も生産する意向だ。

パーキンソン病は脳の神経細胞の損傷が原因で発症する。損傷により神経伝達物質ドーパミンの生成量が減って神経伝達に障害が生じ、運動の調節がうまくできなくなる。既存の治療薬は対処療法にとどまるうえ、副作用が大きい。病気が進行すると薬が効かなくなるという問題もある。

ベムダネプロセルは多能性幹細胞由来のドーパミン産生ニューロンからなる治療薬。患者の脳の特定の場所に移植することで、パーキンソン病で破壊された神経ネットワークを再生できる可能性がある。治験の第1段階に当たるフェーズ1で良好な結果が出たことから、来年上半期からフェーズ2が行われる予定だ。

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