自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)が13日に発表した9月のグループ新車販売台数は前年同月比9.9%増の83万600台となり、これまでに引き続き拡大した。国別の最大市場である中国ではこれまでに引き続き振るわなかったものの、西欧や北米が大きく伸びて全体が押し上げられた。
西欧は19.9%増の29万3,100台、北米は23.2%増の9万1,400台に拡大した。中東欧は8.0%増の4万200台、中国を除くアジア太平洋は11.9%増の3万3,500台、中東・アフリカは24.6%増の2万9,000台だった。
中国は0.9%減の29万8,800台となり、4カ月連続で落ち込んだ。中国自動車工業協会(CAAM)によると、同国の9月の自動車販売台数は前年同月を9.5%上回っており、市場自体は拡大している。南米も1.3%減の4万4,700台と振るわなかった。
ブランド・グループ別でみると、大衆車(ブランド・グループ・コア)は7.2%増の59万7,900台に拡大した。主力のVWブランド乗用車は2.7%増の44万2,100台で、シュコダは7.4%増の7万3,100台、セアト/クプラは47.8%増の4万5,800台、VWブランド商用車は30.8%増の3万6,900台だった。
高級車(ブランド・グループ・プログレッシブ)は23.4%増の17万7,400台で、主力のアウディは23.8%増の17万5,400台。ポルシェを対象とするスポーツ車(ブランド・グループ・スポーツラグジュアリー)は8.1%増の2万7,000台となり、4カ月ぶりに好転した。
商用車(ブランド・グループ・トラックス)は3.5%減の2万8,400台となり、縮小に転じた。MANは37.0%増の1万100台と大きく伸びたものの、VWトラック・アンド・バスが34.2%減の3,300台、ナビスターが21.1%減の7,200台と振るわず足を強く引っ張った格好だ。スカニアは3.6%減の8,100台だった。
1~9月のグループ販売台数は671万5,800台で、前年同期を10.9%上回った。中国(3.0%減)を除いてすべて増加。増加幅は西欧で24.8%、中東欧で12.8%、北米で13.4%、南米で8.3%、中国を除くアジア太平洋で11.6%、中東・アフリカで29.7%に上った。ブランド・グループ別では大衆車が9.4%増、高級車が15.9%増、スポーツ車が9.9%増、商用車が14.9%増だった。
■1~9月のBEV販売は45%増に
1~9月のグループの電気自動車(BEV)販売台数は前年同期比45.0%増の53万1,500台に拡大した。欧州が60.9%増の34万1,100台、米国が73.7%増の5万300台と好調だった。中国はBEV市場が24.9%増の446万8,000台と大きく拡大したにもかかわらずVWグループは3.9%増の11万7,100台と小幅な伸びにとどまった。
ブランド・グループ別のBEV販売台数は大衆車が44.1%増の37万9,400台、高級車が59.8%増の12万3,000台、スポーツ車が11.2%増の2万7,900台、商用車が5.7%減の1,200台となっている。
BEV販売台数を四半期別でみると、第1四半期は前年同期比42.1%増の14万1,000台、第2四半期は53.0%増の18万600台、第3四半期が40.5%増の20万9,900台だった。