ウルトラキャパシタ(電気二重層キャパシタ)の開発製造を手掛けるエストニアの
スケルトン・テクノロジーズは13日、シリーズEの資金調達ラウンドで1億800万
ユーロを獲得したと発表した。独シーメンスの金融子会社、シーメンス・フィナン
シャル・サービシズ(SFS)や丸紅などの既存投資家に加え、ブラジルの資源大手
CBMMが初めて応じた。これにより同社が調達した資金の総額は3億ユーロを超え、
欧州で最も資金を集めたディープテック企業の1社となった。資金は蓄電容量を高
めた次世代蓄電池「スーパーバッテリー」の量産化などに振り向ける。
スケルトンは現在、シーメンスと協力し、独東部ライプチヒ近郊のマルクアンシュ
テットに次世代ウルトラキャパシタのセル工場を建設している。2024年の稼働開始
予定で、新規雇用は240人の見込み。セルの年産能力は最大1,200万個と、独グロー
スレールスドルフにある既存工場の40倍になる。シーメンスは主に工場の自動化と
デジタル化で協力する。
スケルトンはウルトラキャパシタの欧州最大手メーカーで、独自開発の湾曲グラ
フェンを組み込んだ様々な製品を提供する。数秒でフル充電ができ、100万回の充
放電サイクルに耐えられることから、自動車をはじめエネルギーグリッド、産業用
アプリケーションなどの分野で採用が拡大している。