BMWの北米生産車、電池正極材はユミコアが供給

高級乗用車大手の独BMWは16日、米工場で生産する電気自動車(BEV)用のリチウムイオン電池にベルギー金属大手ユミコアの正極材を採用すると発表した。ユミコアはカナダのオンタリオ工場で生産する正極材を、BMWの電池セルサプライヤーであるAESCの米サウス・カロライナ州フローレンス工場に供給。BMWはフローレンス工場から供給されるセルをモジュール化し、BEVに搭載する。

BMWはBEVを生産する地域でセルとその原料のサプライチェーンを完結させる「ローカル・フォー・ローカル」戦略を取っている。今回のユミコア製正極材の採用もこれに基づいた措置だ。輸送コストを圧縮できるほか、地政学的な対立など安定供給のリスク要因を抑制できるメリットがある。

AESCはフローレンスで年産能力30ギガワット時(GWh)の工場を建設中。BMWの第6世代電池向けに円筒型電池セルを生産することになっている。

同セルはエネルギー密度が従来品に比べ20%高く、航続距離は最大30%伸びる。充電時間は最大30%短くなる。生産に当たっては再生可能エネルギーとリサイクル原料を投入することから、生産に伴う二酸化炭素(CO2)の排出量は最大60%減少する見通しだ。

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