自動車大手ステランティスは17日、傘下ブランドのシトロエンがBセグメント車「C3」の電気自動車(BEV)「e-C3」を2024年春に市場投入すると発表した。価格は2万3,300ユーロから。25年には1万9,900ユーロのモデルも発売する。内燃機関車と同レベルの価格帯とすることで需要を掘り起こす狙いだ。
欧州で販売されているBEVの平均価格は現在、平均4万8,000ユーロに上る。多くの国で購入補助金制度が導入されているとはいえ、大半の消費者には手が届かないというのが現状だ。
幅広く普及させるためには価格を大幅に引き下げる必要があり、大衆車メーカーは開発に注力している。欧州最大手の独フォルクスワーゲン(VW)は2万5,000ユーロ未満のBEV(「ID.2」)を26年から販売する計画。2万ユーロ未満のモデルはその後になるとしている。
シトロエンはVWよりも2年早くこれらの価格帯を実現する。来春発売のe-C3を例えばドイツで購入すれば補助金を受給できることから、実際の価格は1万8,800ユーロとなる。内燃機関車と同じレベルだ。
同モデルのモーター最大出力は113馬力で、最高速度は時速135キロメートル。容量44キロワット時(kWh)のリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池を搭載する。航続距離は320キロ(WLTP)に上ることから、買い物や通勤などの日常生活に支障はない。1万9,900ユーロのモデルは航続距離が約200キロとなる。