ドイツ銀がGX計画を発表、本丸は企業向け融資

独銀最大手のドイツ銀行は19日、炭素中立実現に向けたGX(グリーントランスフォーメーション)計画を発表した。同行がGX計画を作成するのは今回が初めて。自らの業務とサプライヤーの活動で排出される二酸化炭素(CO2)の排出量を削減するプランも含まれるものの、ドイツ銀はサービス事業者であるため、これら分野の排出規模は極めて小さい。融資先の企業、特にエネルギー集約度の高いメーカーの排出削減が本丸となる。脱炭素に積極的に取り組むことを融資の条件とすることで自行のGX目標を達成する考えだ。

ドイツ銀は2050年までにスコープ1~3の全分野で炭素中立を実現する目標を掲げている。昨年にはエネルギー集約度の高い融資先4分野(石油・ガス、自動車、発電、鉄鋼)を対象にCO2排出量を正味ゼロとする「ネットゼロ」の実現に向けた時程表を発表した。今回はGX計画とともに、炭鉱、セメント、水運の3分野を対象とするネットゼロの時程表を公表した。来年1月には航空分野の時程表も公表する予定だ。

ドイツ銀はこれら分野の融資先企業にネットゼロ実現に向けた計画の策定を要請。融資先のGXを支援し、自らの炭素中立実現につなげていく。脱炭素を実現できないと判断した業界と、GXに取り組まない企業については融資を打ち切る。

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