ドイツ連邦統計局が31日に発表した9月の輸入物価指数(2015年=100)は前年同月比14.3%減の126.6となり、7カ月連続で下落した。比較対象の22年9月はエネルギーを中心に輸入価格が高騰しており、今年9月はそのベース効果で指数が大きく下落した。
エネルギーは前年同月を47.4%割り込んだ。下落幅は電力で71.0%、天然ガスで69.2%、石炭で53.6%、原油で13.3%、石油製品で11.3%に達した。エネルギーを除いたベースでは輸入物価の下げ幅が3.4%にとどまった。
中間財は8.9%減となり、7カ月連続で低下した。下げ幅は肥料・窒素化合物で58.1%、アルミニウム・アルミ合金で26.2%、銑鉄・鉄鋼・鉄合金で19.2%、バージンプラスチックで18.3%と特に大きい。スターチ・スターチ製品(+29.5%)、中空ガラス(+13.2%)はこれまでに引き続き2ケタ台の上昇となった。
非耐久消費財は横ばいとなり、上昇に歯止めがかかった。前月は0.7%上昇していた。豚肉が13.3%、果物・野菜製品が6.4%、飲料が6.1%上昇したのに対し、牛乳・乳製品は14.9%、動植物性油脂は12.0%低下した。
耐久消費財は0.6%減となり、2カ月連続で低下した。
投資財は上げ幅が2.2%となり、前月を0.3ポイント下回った。構成比重の高い自動車・自動車部品は4.3%(4.7%)、機械は2.6%(3.1%)だった。
農産物は3.7%減となり、6カ月連続で下がった。コーヒー生豆(-28.6%)、穀物(-20.6%)はこれまでに引き続き下げ幅が2ケタ台に上った。カカオ豆は44.6%、豚は31.5%上昇している。
輸入物価指数は前月比では1.6%増となり、2カ月連続で上昇した。ピーク時の昨年8月(149.1)に比べると15.1%低いものの、直近の底である7月(124.1)からは2.0%上がっている。
エネルギーは前月を9.7%上回った。農産物(+0.8%)、耐久消費財(+0.6%)、非耐久消費財(+0.3%)、投資財(+0.3%)、中間財(+0.2%)も上昇している。
輸出物価指数は前年同月比4.1%減の122.6に低下した。低下は4カ月連続。エネルギーが51.9%減と特に大きく下落した。農産物(-10.9%)と中間財(-5.0%)も低下している。投資財は3.3%、消費財は1.7%上昇した。
輸出物価指数は前月比では0.4%上がり、2カ月連続で上昇した。過去最高となった昨年8月(128.7)に比べると4.7%低い。