独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)グループは中東欧に建設予定の巨大電池セル工場(ギガファクトリー)の候補地を差し当たり選定しない意向だ。オリファー・ブルーメ社長は1日、訪問先のプラハ(チェコの首都)で、欧州電動車市場の拡大がこれまでの予想より遅いことなどを指摘。欧州ギガファクトリーのさらなる建設地を急いで決める必要はないとの立場を示した。
VWはギガファクトリーを欧州の計6カ所に設置し、生産能力で240GWhを確保することを計画している。これまでに独ザルツギターと西バレンシアに設置することが決まっている。
中東欧ではポーランド、ハンガリー、チェコの3カ国が有力候補と目されている。チェコ政府はプルゼニの空軍基地跡地をギガファクトリー向けに提供する意向をVWに伝えている。
ブルーメ氏の今回の会見を受け、チェコのペトル・フィアラ首相は「わが国はこれ以上、待つことができない」と不満を表明。VWに対する用地提供の申し出を取り下げる考えを示唆した。