乗用車新車登録、10月は5%増加

ドイツ連邦陸運局(KBA)が3日発表した10月の乗用車新車登録台数は前年同月比4.9%増の21万8,959台に拡大した。増加は2カ月ぶり。前月は電気自動車(BEV)の企業向け購入補助金の打ち切りを受けて8カ月ぶりに縮小したが、再び増加へと転じた。

乗用車新車登録はコロナ禍前の19年10月比では23.0%縮小した。1~10月も前年同期比は13.5%増の235万7,025台と大きく拡大したものの、19年同期比では22.1%減少した。

10月の新車登録を動力源別でみるとBEVは前年同月比4.3%増の3万7,334台へと拡大した。プラグインハイブリッド車(PHV)を含むハイブリッド車(HV)は7.9%増の7万3,936台に拡大したものの、今年初に補助金が全面打ち切りとなったPHVは49.0%減の1万6,361台とこれまでに引き続き振るわなかった。純粋な内燃機関車はガソリン車が7.5%増の7万1,646台、ディーゼル車が4.6%減の3万4,881台だった。

シェアをみると、BEVは前年同月と同じ17.1%にとどまった。HVは32.8%から33.8%に拡大。PHVは15.4%から7.5%へと大幅に低下した。内燃機関車はガソリン車が0.7ポイント増の32.7%、ディーゼル車が1.6ポイント減の15.9%だった。BEVとPHVの合計は24.6%、BEVとHVは同50.9%となっている。

走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素(CO2)排出量は前年同月比6.3%増の114.1グラムに拡大した。

シェアが最も大きい部門はこれまで同様SUVで28.6%に上った。2位はコンパクトカーで17.1%、3位はオフロード車で12.2%、4位は小型車で12.0%、5位は中型車で11.1%だった。

伸び率が最も大きいブランド(台数が極端に少ないものを除く)はNIO(蔚来汽車)で、896.6%増の289台を記録した。これにスズキ(113.6%増の1,722台)、ジャガー(106.4%増の386台)が続いた。

ドイツ車はスマートが35.2%増の887台、ポルシェが22.9%増の2,755台、BMWが20.2%増の1万8,062台、アウディが19.6%増の2万612台、オペルが16.2%増の1万1,345台と2ケタ台の伸びを記録。ミニ(4.1%増の3,307台)とメルセデス(3.8%増の2万2,117台)も前年同月を上回った。MAN(13.8%減の94台)、VW(15.4%減の3万4,806台)、フォード(25.7%減の8,827台)は減少した。

スズキ以外の日本車ではスバルが75.6%増の395台、レクサスが48.9%増の280台、日産が39.4%増の2,920台、ホンダが22.6%増の715台、マツダが0.6%増の3,458台へと拡大。トヨタは13.2%減の6,151台、三菱は24.7%減の1,753台へと落ち込んだ。

日本車以外の主な輸入ブランド(シェア1%以上)をみると、シトロエン(74.1%増の3,726台)、ダチア(40.2%増の5,646台)、フィアット(22.6%増の6,945台)、シュコダ(20.8%増の1万3,955台)、起亜(16.7%増の6,599台)、セアト(11.9%増の9,384台)、ボルボ(6.4%増の3,534台)、テスラ(5.3%増の3,353台)、現代(4.7%増の8,547台)、MGロエベ(4.0%増の2,113台)は増加。プジョー(0.9%減の3,148台)とルノー(15.0%減の4,974台)は減少した。

NIO とMGロエベ以外の中国車はGWM(長城汽車)が436台、BYD(比亜迪汽車)が226台、AIWAYS(愛馳)が2台だった。

一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した10月の乗用車国内生産台数は33万8,800台となり、前年同月を19%上回った。輸出台数も5%増の25万5,800台と拡大している。1~10月は生産台数が前年同期比23%増の346万5,700台、輸出台数が22%増の260万5,700台だった。

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