ポーランドIT産業の需要縮小、外国からの受注減で

ポーランドの情報通信技術(IT)産業で人減らしの波が広がっている。国際大手の
同国拠点は好調だが、地場系企業はほぼ全面的に外国からの受注に頼るところが多
く、その減少が人材余剰につながっているもようだ。
現地紙『ガゼタ・ヴィボルチャ』が12日付で報じたところによると、取材を通じて
◇ソフトウエアハウスで月給引き下げに応じず解雇されたJAVAのプログラマーが、
引き下げ後の月給の半分の給与でも就職先が見つからない◇1年で500人解雇した経
営者がいる——といった証言が集まった。
採用支援サービスのGFTポーランドのヴォイチェフ・マハ会長は「世界のIT市場が
急速に冷え込んでいる。ITプロジェクトを委託するクライアント企業の計算が細か
くなっており、以前は契約が成立するまで数週間ほどだったが、今では何カ月もか
かる」と話す。
今年に入ってAIチャットボットがブームになったことで自分が不要人材になるので
はと心配する被用者が増えた。IT業界も例外ではない。チャットGPTやフィグマ、
ギットハブ・コパイロットといった支援ツールを使うとソフト開発にかかる時間が
20〜30%短縮できると言われており、クライアントがIT企業にこれらのツールの使
用を要求するケースも増えているという。これにはプログラマーの報酬が時給で計
算されていることが関係している。
『ガゼタ・ヴィボルチャ』紙は、ソフトウエア技術への需要は今後も拡大するが、
特定の狭い領域に限られるようになると予想する。支援ツールの登場で、高価なプ
ログラミングサービスの必要なタスクが少なくなるからだ。

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