米国は9日、スロバキアの首都ブラチスラバで、東欧諸国における小型モジュール
炉(SMR)整備を支援する「プロジェクト・フェニックス」の始動を宣言した。欧
州・ユーラシアの15カ国が参加した記念イベントのほか、第1回研修会も開催され
た。まずはチェコ、ポーランド、スロバキアと提携し、既存の石炭火力発電所を
SMR発電所に建て替える工事の事業化調査を進める。
米国のジョン・ケリー大統領特使(気候変動問題担当)は昨年11月エジプトで開か
れた国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)で同プロジェクトの実施を
発表。9月には、中東欧の欧州連合(EU)加盟国などが参加する三海洋イニシアチ
ブ(3SI)のブカレスト首脳会議で、チェコ、スロバキア、ポーランドを最初の支
援対象国として選んだことを明らかにした。この関連で、米国は三海洋イニシアチ
ブ投資基金に「クリーンエネルギーへの移行」を支援する資金として3億米ドルを
拠出することを約束した。風力・太陽光・地熱エネルギーのほか、原子力発電も支
援対象に入れている。