露IT大手ヤンデックス、ロシア事業の完全売却を計画

ロシアのIT大手ヤンデックスは国内事業の完全売却を計画しているもようだ。ロイ
ター通信が15日、関係者3人の情報として報じた。オランダに本拠を置くヤンデッ
クスの持ち株会社ヤンデックスNVは年末までに関係者との合意を目指しているとい
う。取引成立にはロシア政府の承認が必要となる。
ヤンデックスは「ロシアのグーグル」とも呼ばれるナスダック上場企業。主要事業
の検索エンジンや広告、配車サービスのほか、電子商取引(EC)、フードデリバ
リー、娯楽サービス(動画配信など)などを展開している。時価総額は2021年11月
時点で300億ドルを超えていたが、昨年2月に始まったロシアによるウクライナ軍事
侵攻をきっかけに株価が急落し、75%下落した。翌3月にはナスダックがヤンデッ
クスに対し上場廃止を通告。同社は今年6月、年内にロシア事業を手放すことを条
件にナスダックでの上場継続が認められた。
ヤンデックスNVは新たにロシアのカリーニングラード州に持ち株会社を設立し、同
国事業の全資産を統合したうえで完全売却する計画という。ロシア政府は撤退する
外国企業に対し売却資産を50%以上割り引くことを義務付けている。関係者のひと
りはこれを踏まえ、ロシア事業の売却価格は5,600億ルーブル(61億8,000万ドル)
になると見積もっている。(1RUB=1.65JPY)

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