電機大手の独シーメンスが16日に発表した2023年9月通期決算の税引き後利益は前期比94%増の85億2,900万ユーロとなり、過去最高を更新した。ローラント・ブッシュ社長は、「当社の戦略が奏功した。今後も顧客のデジタルとグリーンのトランスフォーメーションを加速させていく」と述べた。
同社が重視する産業4部門の税引き前利益(EBT)は11%増の114億3,000万ユーロとなり、こちらも過去最高を記録。医療機器を除くすべての部門で増益を確保した。4部門の売上高は4%増の880億8,200万ユーロに拡大。売上高税引き前利益率は0.3ポイント上昇しこれまでで最高の15.4%に達した。
金融サービスと非中核事業を含むシーメンス全体の売上高は8%増の777億6,900万ユーロ、EBTは57%増の112億100万ユーロだった。
7月に分社化した大型モーター事業(イノモティクス)については新規株式公開(IPO)を検討していることを明らかにした。他社への売却の可能性も排除していない。
24年9月期は為替変動と買収・売却を除いたベースの売上成長率で4~8%を見込んでいる。23年9月期の同11%からは鈍化する。地政学的な状況が悪化しないことを前提としていることから、場合によっては下振れする可能性がある。