独造船大手マイヤー・グループは15日、傘下のネプトゥーン造船所が海洋建造物を手がけるベルギー企業スマルダーズ(Smulders)と共同で洋上コンバータープラットフォーム建造事業に参入すると発表した。洋上風力発電パークで作られる交流電力を直流に変換するコンバータープラットフォームを建造する欧州2番目の造船所となる。独ロストックのヴァルネミュンデ地区で行われた協業合意式典には地元メクレンブルク・フォーポマーン州のマヌエラ・シュヴェージヒ首相のほか、ボリス・ピストリウス国防相が参加した。
まずは開発と建造を手がける合弁会社ネプトゥーン・スマルダーズ・エンジニアリングを設立する。出資比率や投資額は明らかにされていない。独禁当局の承認を得て、来年第1四半期に業務を開始する予定だ。容量2ギガワット(GW)の巨大プラットフォームを建造する。早ければ2026年末から27年初頭に建造を開始できる見通しだ。長期的に年1基を建造する計画。
プラットフォームの上部に当たるトップサイドをヴァルネミュンデで製造する。下部のジャケットはオランダ南部のフリッシンゲンにあるスマルダーズの拠点が担当する。
プラットフォームはサッカースタジアム規模の巨大な施設であることから、ネプトゥーン造船所は建造に向け隣接地(米エンジン大手キャタピラーの工場跡地)を取得するほか、同じく隣接する海軍工廠の一部を利用する。
マイヤーは将来的に水素やEフューエル用のタンカー開発・建造事業に参入することも視野に入れている。