ナトリウムイオン電池をノースボルトが開発、まずは定置用として市場 投入

スウェーデンの電池新興企業ノースボルトは21日、ナトリウムイオン電池を開発したと発表した。同社はすでにリチウムイオン電池、リチウム金属電池の技術を持っており、製品ポートフォリオを拡充したことになる。

同国の電池材料メーカー、アルトリス(Altris)と共同で開発した。正極にナトリウムイオン活物質プルシアンホワイト、負極に硬質炭素を使用する。資源量が豊富な鉄とナトリウムを用いることから、現在主流のリチウムイオン電池と異なり材料価格高騰や地政学リスクがなく、長期の安定・低コスト生産が可能だ。高温でも安全性が高いという強みもある。

ただ、エネルギー密度は低く、ノースボルトが開発した製品も1キログラム当たり160ワット時(Wh)にとどまる。同社はこれを定置用蓄電池として量産する。将来的にはエネルギー密度の高い製品を開発し、電動車に搭載できるようにする考えだ。車載用のナトリウムイオン電池が実用化されれば、自動車メーカーは電気自動車(BEV)の価格を大幅に引き下げることができる。

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