自動車大手ステランティスは21日、中国車載電池大手の寧徳時代新能源科技(CATL)と協業することで基本合意したと発表した。欧州で生産する電気自動車(BEV)向けにCATLからリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池セルとモジュールの供給を受ける。ステランティスはBEVを幅広く普及させるため、一般消費者の手の届く水準まで車両価格を引き下げる戦略を推進中。一般的なリチウムイオン電池に比べ生産コストが低いLFP電池の活用は同戦略のカギを握る。
欧州連合(EU)では内燃機関を搭載する乗用車の販売が2035年から原則禁止となる。ステランティスはその5年前の30年までに欧州販売車をすべてBEV化するという野心的な目標を掲げている。来春発売予定のLFP電池搭載車は価格を2万3,300ユーロからに抑制。25年には同1万9,900ユーロのモデルを投入する。同社は声明で「LFP技術は高品質で耐久性の高い手ごろな価格の電気自動車の提供を可能にする」と指摘。LFP電池の重要性を強調した。
両社は今回、折半出資の合弁会社設立と、電池バリューチェーンの強化について検討することでも合意した。