バルト三国が情報技術(IT)人材の獲得に向けてナイジェリア、ケニア、アルメニ
アと共同でパイロットプロジェクト「デジタル・エクスプローラーズ」を開始し
た。人手不足を解消すると同時に、協働を通じて新しい国際企業間提携の機会を作
るねらい。
今後3年間で85人を招致するほか、教習生を受け入れ、バルト三国とそのIT企業を
知ってもらう機会とする。
欧州委員会は先ごろ、高齢化の進展にともなう人材不足に対応する試みとして、他
の地域から技能を持つ人材を募るシステムを構築することを提案した。この提案は
まだ検討中の段階だが、今回、欧州連合(EU)の助成を受けて、バルト三国でいち
早く具体的な試みがスタートした形だ。
専門家の招致は、移民受け入れの問題とも重なり、さまざまな機関が関係する。こ
のため、まずは小さい規模でスタートし、どのような課題が出てくるかをみる方針
だ。在外公館のない国での募集のあり方もテーマの一つとなりそうだ。
バルト三国では一般的に人材が不足しているが、IT業界では新興企業を中心に特に
深刻で、業界の成長のブレーキとなっている。一方、若年人口の多いナイジェリ
ア、ケニア、アルメニアは、国内で就職口のないIT専門家がおり、提携を通じて双
方の過不足を調整できると期待されている。
