ロシアのプーチン大統領は24日、モスクワで開かれた人工知能(AI)会議で、AI開
発戦略を後押しする方針を明らかにした。欧米の技術にはロシアと異なる文化的背
景や価値観が反映されており、国民のアイデンティティを危うくするリスクがある
ためと説明。スーパーコンピューターなど、AI研究強化に役立つ技術開発に、もっ
と資源を注入すべきと訴えた。
大統領は、「西側の検索エンジンや生成モデルは英語データを基に開発されてお
り」、結果としてロシアの文化を無視する「排外的」性格を持ちかねないという見
方を示した。そのうえで、「ロシア語および国内で話されている諸言語の豊かさと
美しさ、そして伝統的価値観を基に」「信頼性があり、透明かつ安全なAIシステ
ム」を開発する必要性を強調した。
プーチン政権は20年余りにわたって、様々な手法で野党や社会市民組織を弾圧し、
「外国の影響」に対抗する「伝統的な価値」を奨励してきた。今回の主張もその延
長線上に位置付けられる。