輸入物価8カ月連続低下、10月は-13%に

ドイツ連邦統計局が29日に発表した10月の輸入物価指数(2015年=100)は前年同月比13.0%減の127.0となり、8カ月連続で下落した。比較対象の22年10月はエネルギーを中心に輸入価格が高騰しており、今年10月はそのベース効果で指数が大きく下落した。

エネルギーは前年同月を43.5%割り込んだ。下落幅は天然ガスで65.3%、石炭で45.2%、電力で43.3%、石油製品で21.1%、原油で9.4%に上った。エネルギーを除いたベースでは輸入物価の下げ幅が3.3%にとどまった。

中間財は8.6%減となり、8カ月連続で低下した。下げ幅は肥料・窒素化合物で53.8%、アルミニウム・アルミ合金で22.3%、銑鉄・鉄鋼・鉄合金で17.2%、バージンプラスチックで15.7%と特に大きい。スターチ・スターチ製品(+24.4%)、中空ガラス(+12.8%)はこれまでに引き続き2ケタ台の上昇となった。

非耐久消費財は0.7%減となり、低下に転じた。前月は横ばい、前々月は0.7%増だった。牛乳・乳製品が14.6%、動植物性油脂が12.5%低下している。豚肉は14.0%、飲料は6.1%、果物・野菜製品は4.9%上昇した。

耐久消費財は0.6%減となり、3カ月連続で低下した。

投資財は上げ幅が1.8%となり、前月を0.4ポイント下回った。構成比重の高い自動車・自動車部品は3.3%(前月4.3%)、機械は2.1%(同2.6%)だった。

農産物は1.8%減となり、7カ月連続で下がった。穀物(-22.4%)、コーヒー生豆(-11.0%)がこれまでに引き続き大きく低下。カカオ豆は53.9%、豚は28.2%上昇した。

輸入物価指数は前月比では0.3%増となり、3カ月連続で上昇した。ピーク時の昨年8月(149.1)に比べると14.8%低いものの、直近の底である7月(124.1)からは2.3%上がっている。

エネルギーは前月を1.8%上回った。農産物(+1.8%)、耐久消費財(+0.5%)、非耐久消費財(+0.2%)も上昇した。投資財は横ばい、中間財はマイナス0.2%だった。

輸出物価指数は前年同月比2.4%減の122.5に低下した。低下は5カ月連続。エネルギーが34.9%減と特に大きく下落した。農産物(-13.8%)と中間財(-5.1%)も低下している。投資財は3.1%、消費財は1.4%上昇した。

輸出物価指数は前月比では0.1%下がり、3カ月ぶりに低下した。過去最高となった昨年8月(128.7)に比べると4.9%低い。直近の底である7月(122.0)からは0.4%上がった。

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