メルクが創薬AIソリューションを市場投入

ライフサイエンス大手の独メルクは5日、創薬・物質合成用の統合的な人工知能(AI)ソリューションを同日付で市場投入すると発表した。医薬品開発の加速とコスト削減につながるとしている。

「AIDDISON」というソフトをSaaS(サービスとしてのソフトウエア)として提供する。同ソフトは生成AIと機械学習、コンピューター支援医薬品設計(CADD)を組み合わせたもの。過去20年超の医薬品研究開発のデータで訓練されており、600億を超える候補物質のなかから実用(商品)化できる可能性の高いものを選び出すとともに、最適の合成方法を提案する。バーチャルな分子設計と実際の製造可能性との隙間を埋めるソフトとしている。

医薬品の開発には平均で10年以上の時間を要する。コストも19億ユーロ超と大きい。市場調査会社Bekrylによると、AIを用いることで2028年までに創薬プロセスのコストを700億ドル以上、削減できる。

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