高級乗用車大手の独BMWは内燃機関車の製造・販売を長期継続する意向だ。競合メルセデスベンツやアウディは電気自動車(BEV)への一本化を早期実現する意向を示しているが、BMWは内燃機関車の生産を停止するかどうかを明確化していない。オリファー・チプセ社長がフランクフルトで開催されたイベントで発言した内容をもとに『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。
同社は売り上げに占めるBEVの割合を2030年までに今年の15%(予測)から50%に拡大する目標を掲げている。ただ、BEVの販売が急増しているとはいうものの、プラグインハイブリッド車(PHV)を含む内燃機関車の需要は減少幅が極めて小さく、今後もニーズは大きいと予想される。
チプセ氏は、顧客の多くは現時点でBEVに乗り換える考えがないことを指摘。仮に販売車種がBEVに一本化されれば、これらの人は古い内燃機関車を乗り続けることになると述べ、BEVだけでなく内燃機関車も生産・販売し続ける全方位戦略は有意義だとの認識を示した。二酸化炭素(CO2)排出量が正味ゼロとなるEフューエル(水素とCO2を原料とする合成燃料)の重要性も強調している。