ドイツ機械工業連盟(VDMA)は12日、独業界の2024年の生産高予測を下方修正した。世界経済の低迷を受け新規受注の減少が続いているうえ、状況改善の兆しもみえてこないことを踏まえたもので、実質成長率を従来のマイナス2%からマイナス4%へと引き下げた。2年連続で生産減となる。
23年1-9月期は前年同期を0.9%上回ったものの、第3四半期に限ると1.6%減少した。第4四半期も低迷しており、23年全体ではマイナス1%となる見通しだ(従来予測のマイナス2%からは上方修正)。
新規受注の減少を受け、受注残高は目減りが続いており、10月の残高は年初水準を実質13%下回った。会員企業を対象に実施した10月末のアンケート調査では受注残高の水準が長年の平均を下回っているとの回答が60%に達した。
主要市場の見通しは暗い。最大の輸出先である米国は景気循環を受けて投資の減少が見込まれる。同2位の中国は需要の弱含みが続くと予想される。インドやメキシコなど一部の市場は好調なものの、規模が小さいため米中の穴を埋めることはできない。
名目生産高は今年、前年比5%増の2,490億ユーロとなり、過去最高を更新する見通し。物価の上昇を受け、プラス成長を確保する。来年は1%減の2,470億ユーロと縮小が見込まれている。
業界売上高(名目)も今年は9%増の2,660億ユーロに拡大するものの、来年は1%減の2,630億ユーロに落ち込む見通しだ。