23年の乗用車新車登録7%増加、12月は23%減に

ドイツ連邦陸運局(KBA)が4日発表した2023年の乗用車新車登録台数は前年比7.3%増の284万4,609台に拡大した。増加は2年連続。コロナ禍に伴う半導体供給不足の解消が一段と進んだことが大きい。コロナ禍直前の19年に比べると21%少ない。

新車登録を動力源別でみると、電気自動車(BEV)は11.4%増52万4,219台に拡大した。プラグインハイブリッド車(PHV)は前年末の購入補助金打ち切りが響き51.5%減の17万5,724台と大幅に減少。PHVを含むハイブリッド車(HV)全体では1.6%増えて84万304台となった。内燃機関車はガソリン車が13.3%増の97万8,660台、ディーゼル車が3.0%増の48万6,581台だった。

シェアをみると、BEVは18.4%となり、前年(17.7%)を0.7ポイント上回った。PHVは13.7%から6.2%へと急低下。HVも31.2%から29.5%に下がった。BEVとHVの合計は47.9%で、前年(48.9%)を1ポイント下回った。ガソリン車は34.4%(前年32.6%)、ディーゼル車は17.1%(17.8%)となっている。

走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素(CO2)排出量は平均114.9グラムで、前年(109.6グラム)を4.9%上回った。

新車登録を部門別でみると、シェアが最も大きかったのはSUVで30.1%(前年29.3%)に上った。2位はコンパクトカーで16.3%(15.9%)、3位は小型車で11.9%(12.4%)だった。4位はオフロード車で11.4%、5位は中型車で10.5%。

増加幅が最も大きかったのは大型車で、12.9%の伸びを記録した。

社用車としての登録は12.4%増、マイカーは同1.9%減だった。シェアはそれぞれ67.1%(64.1%)、32.8%(前年35.9%)となっている。

カラー別ではグレーが31.6%(30.6%)で最も多かった。これにブラックが26.5%(26.4%)、ホワイトが20.7%(20.5%)で続いた。

ブランド別でみると、ドイツ車はフォード(11.2%減の11万6,578台)を除いてすべて増加した。各ブランドの実績はスマートが42.9%増の1万7,418台、MANが26.1%増の1,888台、アウディが15.7%増の24万6,880台、ミニが14.4%増の4万5,938台、メルセデスが13.7%増の27万7,352台、ポルシェが12.0%増の3万2,832台、BMWが11.2%増の23万3,160台、VWが7.9%増の51万9,089台、オペルが0.2%増の14万4,901台となっている。

日本車ではスズキ(61.2%増の2万5,121台)、マツダ(32.6%増の4万6,413台)、スバル(23.4%増の4,596台)、日産(22.2%増の3万1,856台)、レクサス(18.7%増の3,259台)が増加。トヨタ(4.0%減の7万5,199台)、ホンダ(15.4%減の6,519台)、三菱(44.8%減の1万9,020台)は減少した。

日本車以外の主な輸入ブランド(シェア1%以上)をみると、ボルボ(22.2%増の4万4,739台)、セアト(18.8%増の13万2,624台)、シュコダ(17.1%増の16万8,561台)、ダチア(13.6%増の6万8,585台)、シトロエン(8.7%増の3万9,894台)、プジョー(3.6%増4万6,836台)、現代(1.2%増の10万6,381台)は前年を上回った。フィアット(1.6%減の7万6,535台)、起亜(2.0%減の7万4,589台)、テスラ(9.0%減の6万3,685台)、ルノー(14.5%減の6万8,312台)は減少した。

中国車はMGロエベが35.4%増の2万1,232台、GWM(長城汽車)が4,660台、BYD(比亜迪汽車)が4,139台、NIO(蔚来汽車)が153.6%増の1,263台、AIWAYS(愛馳)が50台だった。

12月の乗用車新車登録台数は24万1,883台で、前年同月を23.0%下回った。減少は2カ月連続。比較対象の22年12月はBEVの補助金縮小とPHVの補助金廃止を年末に控え大きな駆け込み需要が発生していたことから、23年12月はその反動が出た格好。23年12月もBEV補助金のさらなる縮小を目前に駆け込み需要が起きたが、22年同月に比べると規模が小さかった。

一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した23年の国内乗用車生産台数は前年比18%増の411万5,600台へと拡大した。比較対象の22年は水準が極めて低かったことが大きい。19年に比べると12%少ない。輸出台数は311万100台で、前年を17%上回った。12月は生産台数が前年同月比1%増の26万4,500台、輸出台数が同1%減の21万4,100台だった。

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