ドイツ連邦統計局と連邦経済省が8日発表した2024年11月の製造業新規受注指数(15年=100)は、物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベースで95.5(暫定値)となり、前月を0.3%上回った。受注増は2カ月ぶり。大型受注を除いたベースでは0.6%減少している。経済省は、製造業の景気は24年上半期中に回復が始まるとの見方を示した。
新規受注を地域別でみると、国内が1.4%増えて全体を押し上げた。国内の増加は2カ月連続で、経済省は主力業界で安定化の兆しが出てきたとしている。国外は0.4%低下し、大幅減となった前月に引き続き振るわなかった。ユーロ圏(ドイツを除く)が1.9%減り足を引っ張った格好だ。ユーロ圏外は0.6%増加した。
部門別では投資財が0.8%伸びた。国内が3.4%、ユーロ圏外が1.6%増加。ユーロ圏は4.9%減となり、2カ月連続で大幅に落ち込んだ。
消費財は1.1%増となり、2カ月連続で拡大した。ユーロ圏が14.0%増と前月に引き続き2ケタ台の伸びを記録している。
中間財は0.4%減少し、2カ月連続で低下した。ユーロ圏(1.9%減)とユーロ圏外(1.3%減)が前月に引き続き振るわなかった。
分野別では自動車・自動車部品が4.7%増、機械が3.9%増、化学品が3.7%増、電気装置が4.8%増と伸び率が大きかった。輸送機器(航空機、船舶、鉄道車両など)は急増した前月の反動で32.1%減少。金属製造は7.1%減、製薬は4.7%減だった。
10月の製造業新規受注は当初の前月比3.7%減から同3.8%減へと下方修正された。
新規受注を特殊要因によるブレが小さい3カ月単位の比較でみると、9~11月は前期(6~8月)比で4.5%減少した。
11月の製造業売上高(暫定値)は物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベースで前月を0.7%下回った。10月については0.5%減から0.2%減に上方修正された。