デパート大手ガレリアが経営破たん、20年以降で3度目

独デパート大手ガレリア・カールシュタット・カウフホーフは9日、エッセン区裁判所に会社更生手続きの適用を申請した。同社の経営破たんは2020年以降で3度目。親会社である墺シグナ・ホールディングの経営破たんを受け、連鎖倒産に追い込まれた。すでに投資家の模索を開始しており、新たな親会社の下で経営再建を図る意向だ。

ガレリアはコロナ禍初期の20年に経営破たん。その後かろうじて再建を果たしたものの、ロシアのウクライナ進攻に伴うエネルギー価格の高騰と高インフレで消費者が支出を強く抑制したことから、22年にも民事再生手続きを申請。再建のめどを付けた。この間、店舗と従業員数を大幅に削減している。

シグナは不動産と小売を主な柱とする投資会社。インフレによる消費低迷や在宅勤務の増加に伴うオフィス需要の縮小、建設コストの膨張、金利急上昇の直撃を受け業績が急速に悪化し、23年秋に経営破たんした。

ガレリアは22年の再建に際し、シグナから総額2億ユーロの支援を受けることを取り決めた。シグナの破たんでこの資金の流入が途絶えたことから、ガレリアは会社更生手続きの適用申請に追い込まれた。

ガレリアの業績は改善の方向にある。ただ、シグナから借り受けている店舗では賃貸料負担が重く赤字が続いていることから、今後は賃貸料の引き下げ交渉を行う意向だ。

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