BEV比率上昇も上げ幅鈍化、台数トップはテスラからVWに

ドイツ連邦陸運局(KBA)が16日に発表した電気自動車(BEV、乗用車)の2023年の新車登録台数は52万4,219台となり、前年を11.4%上回った。純粋な内燃機関車などを含む乗用車全体に占める割合も前年を0.7ポイント上回る18.4%に拡大した。ただ、増加幅は前年の4.1ポイントから大幅に縮小している。24年はBEV購入補助金打ち切りの影響で減少に転じると見通しだ。

23年のBEV販売台数が最も多かったブランドはVWで、11.7%増の7万628台を記録。テスラ(9.0%減の6万3,685台)を抜いて首位に躍り出た。3位はBMW(72.2%増の4万420台)、4位はメルセデス(45.8%増の3万6,703台)、5位はアウディ(8.0%増の3万596台)とドイツ車が続いた。現代は12.3%減の2万8,845台に後退したものの、オペル(5.2%減の2万7,765台)やシュコダ(92.7%増の2万3,499台)を抑えて6位に付けた。

日本車ではトヨタが最も多く、3,352台だった。これにマツダが3,261台、日産が2,975台、ホンダが368台、レクサスが155台、スバルが142台、スズキが6台で続いた。三菱はBEVの新車登録がなかった。

新車に占めるBEVの比率ではテスラ、スマート(台数1万7,416台)、ポールスター(6,288台)、NIO=上海蔚来(1,263台)、フィスカー(239台)、ルシード(99台)、AIWAYS=愛馳(50台)の7ブランドが100%を記録した。このほか、BYD=比亜迪(4,135台)が99.9%、GWM=長城(4,585台)とマクサス(63台)がそれぞれ98.4%、MGロエベ(1万8,526台)が87.3%と高水準に達した。これ以外のブランドはすべて40%未満にとどまる。

スマート以外のドイツ車はミニが30.4%、オペルが19.2%、ポルシェが17.4%、BMWが17.3%、VWが13.6%、メルセデスが13.2%、アウディが12.4%、フォードが3.3%だった。

日本車はこれまでに引き続き全体の平均(18.4%)をすべて下回った。最高は日産の9.3%で、マツダは7.0%、ホンダは5.6%、レクサスは4.8%、トヨタは4.5%、スバルは3.1%、スズキは0.0%にとどまった。BEVで出遅れたことが反映されている。

伸び率が最も大きかったブランドはGWMで、3万466.7%を記録した。2位はレクサスで811.8%、3位はトヨタで299.0%となっている。

BEVにプラグインハイブリッド車(PHV)と燃料電池車(FCV)を加えた電動車全体の新車登録台数は70万206台で、前年を16.0%下回った。22年末で補助金支給が打ち切られたPHVの激減が響いた。乗用車全体に占める割合は前年31.4%から24.6%へと低下している。

電動車に非給電タイプのハイブリッド車(HV)や天然ガス車などを加えた環境対応車の新車登録台数は4.8%増の137万9,260台。乗用車全体に占める割合は48.5%で、前年同期(49.6%)を1.1ポイント下回った。

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