ポーランドのバルト海風力発電計画、低排出鋼材を世界初利用

ポーランドの石油大手オルレンは16日、カナダの再生可能エネルギー企業ノースランドパワーと合弁で進める同国初の洋上風力発電パークの建設・運営プロジェクト「バルティックパワー」に低排出鋼材を使用すると発表した。洋上風力発電所に同種の鋼材を用いるのは世界初。これによりタービンの稼働期間全体で二酸化炭素(CO2)排出量を10%削減できるという。

低排出鋼材はアルセロールミタルのシャルルロワ工場(ベルギー)から調達する。再生可能エネルギーを利用した電気炉でリサイクル原料から製造することで、従来の鋼材と比べ1キログラム当たりのCO2排出量を66%削減できる。

バルティックパワーではナセルを取り付ける塔(タワー)の構造部分に使う。全76塔のうち52塔に採用する予定。タービンを供給するデンマークのベスタスによると、使用される低排出鋼は使われる鉄鋼全体の15%を占める。

バルティックパワーはバルト海沿岸のホチェヴォからウェバにかけた地域の沖合23キロの海域に、合計出力1,140MWの風力タービンを設置する。年間発電量は150万世帯分に当たる4,000ギガワット(GWh)。2026年の稼働を予定する。

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