海運大手ハパックロイドとマースクがアライアンス

海運大手の独ハパックロイドは17日、デンマーク同業マースクと長期業務協業で合意したと発表した。これに合わせて現在所属している日本企業などとの海運アライアンスから離脱。マースクも業界最大手MSCとの協業を終了する。

両社は「ジェミニ・コーポレーション」という名のアライアンスを設立し、2025年2月から運営を開始する。船舶数は約290隻、コンテナ数は340万TEU(20フィートコンテナ換算)で、輸送能力の60%をマースク、40%をハパックロイドが持ち寄る。

マースクは15年、MSCと共同で「2M」というアライアンスの運営を開始し、コンテナ船をシェアしてアジアと欧州を結ぶ航路や大西洋と太平洋を横断する主要航路を共同運航してきた。当時のコンテナ海運業界はリーマンショック後の不況で海運需要が低迷し、船舶が過剰となっていたことが背景にある。こうした状況に対応して運航を効率化し、コストを削減するのが提携の狙いだった。

だがその後、海運運賃が高騰し、経営環境が大きく変化。保有船舶数の拡大を目指すMSCと、現状を維持したいマースクとの間で戦略の違いが鮮明になったことから、両社は23年1月、協業を25年1月で打ち切ることを決めた。

ハパックロイドは16年、日本郵船、川崎汽船、商船三井、韓進海運(韓国)、陽明海運(台湾)と共同で企業連合「ザ・アライアンス」を設立した。ロルフ・ハッベン・ヤンセン最高経営責任者(CEO)は23年3月時点で、2Mの解散が他の海運アライアンスに影響をもたらすことはないとの見方を示すとともに、ハパックロイドはザ・アライアンスにとどまるとの立場を表明していた。

同社がマースクとの協業に乗り替えた理由は明らかにされていない。ザ・アライアンスからは25年1月に離脱する。

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